丸の内経営法律事務所

廃業と破産のメリットとデメリットは何?

2023.03.05

廃業と破産の違い

簡単に言えば、廃業とは自主的に事業をやめることであり、破産とは負債超過で裁判所を通じて資産を整理して事業をやめることです。

廃業は、何らかの事情により事業を辞めることで、法人格や個人事業主の身分が消滅します。廃業する場合は、登記や税務などの手続きを行います。
なお、全ての債務を支払っても資産が残る場合に利用できます。

破産は、経営悪化により資産が負債を下回ってしまい、裁判所に申し立てて資産や負債を整理することで、会社や個人が債務から解放されます。破産する場合は、管財人や裁判官などの関係者が管理下に置いて資産の売却や債権者への配当などの手続きを行います。
なお、全ての債務を支払えない場合に破産することとなります。

以上が廃業と破産の違いです。

廃業する場合のメリットやデメリット

【廃業のメリット】
・経営から撤退できます。健康問題や将来性などの不安から解消できるかもしれません。
・倒産よりも取引先や従業員などへの迷惑が少なくなります。

【廃業のデメリット】
・従業員の雇用ができなくなります。従業員に対しては退職金や失業保険などの手続きを行う必要があります。
・取引先や顧客に迷惑をかけます。取引先や顧客との契約を解除したり、納品やサービスを中止したりすることになります。
・廃業するにもお金がかかります。登記や税務、社会保険などの手続きには費用が発生しますし、資産処分や借金返済も必要です。
・借金を残す可能性があります。廃業しても債務は消えませんし、債権者から追及されることもあります。

破産する場合のメリットやデメリット

【破産のメリット】
・全ての借金(公租公課を除く)の返済義務が免除されます。どれだけ大きな借金を抱えていても、破産が認められれば、その後は借金を返済する必要は一切なくなります。
・取立てや強制執行(給料差し押さえなど)がストップします。破産手続き開始後は債権者はこれらの行為をできなくなります。
・一定の財産を手元に残すことができます。自由財産と呼ばれる生活に必要な最低限の財産は、債権者に渡さずに保持できます。
・職業や収入に関わらずだれでも申立てができます。会社員や公務員、自営業者など、職種や年収にかかわらず、破産宣告をすることが可能です。

【破産のデメリット】
・信用情報機関に登録されます。破産宣告後5~7年間は信用情報機関(JICC・CIC・全国銀行協会・全国信用保証協会連合会)に登録されますし、その期間中はクレジットカードやローンなどの利用が困難になります。
・職業上の制限がある場合があります。破産宣告した場合、弁護士や司法書士、税理士など一部の職業では資格喪失や免許取消しといった処分を受ける可能性がありますし、公務員や金融機関等では解雇されたり昇進しづらくなったりすることもあります。
・費用がかかります. 破産宣告するためには裁判所への手数料や弁護士費用等が必要ですし、債務整理交渉等で支払った費用も戻ってきません。

丸の内経営法律事務所

丸の内経営法律事務所は、企業法務を得意とする名古屋市の弁護士事務所です。これまでに関わった中小企業のトラブル解決数は 200件 以上となります。「関わった人全てを豊かにする」を企業理念に、名古屋市をはじめ東海エリアの中小企業を法務面・経営面から多角的にサポート。顧問弁護士として労働問題解消や契約書作成など、企業のトラブルを未然に防ぐリーガルリスクマネジメントにも尽力します。

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