運送業経営者必読!2026年4月「トラック新法」白トラ規制強化の全貌と実務対応

2026.02.03

【目次】

  1. トラック新法とは?2026年4月から何が変わるのか
  2. 「白トラ問題」の深刻な実態と業界への悪影響
  3. 荷主責任の明確化:委託側も処罰対象に
  4. 再委託回数の制限と多重下請構造の承是正
  5. 運送事業者が直面する3つのリスク
  6. 適法事業者にとっての5つのビジネスチャンス
  7. 今すぐ始めるべき実務対応チェックリスト
  8. 荷主企業への効果的なアプローチ方法
  9. よくある質問と弁護士からの回答
  10. まとめ:法改正を競争力強化のチャンスに変える

1. トラック新法とは?2026年4月から何が変わるのか

2026年4月1日、運送業界の競争環境を根本から変える法律が施行されます。改正貨物自動車運送事業法、通称「トラック新法」です。

この法改正の最大のポイントは、「違法な白トラ(自家用トラックによる違法な有償運送)に運送を委託した荷主も、処罰の対象となる」という点です。

従来、白トラは違法行為でしたが、取り締まりの対象は白トラ事業者のみでした。しかし2026年4月以降は、委託した荷主側にも法的責任が発生します。これは、物流業界における「荷主責任」を明確にする歴史的な転換点といえます。

主な規制導入内容

  • 再委託回数を2回以内(実運送は3次請けまで)とする努力義務
  • 書面交付義務の拡大
  • 違反事業者への罰則強化

2. 「白トラ問題」の深刻な実態と業界への悪影響

まず、白トラ問題の本質を理解することが重要です。

白トラとは何か?
自家用トラック(白ナンバー)で他社の荷物を有償で運送する違法行為を指します。本来、有償運送には「緑ナンバー」の取得と厳格な要件(車両5台以上、運行管理者の配置など)のクリアが必要です。

業界への4つの悪影響

  1. 不公正な価格競争: コストを無視した低価格受注による運賃ダンピング。
  2. 安全性の軽視: 運行管理・整備義務がないため、事故リスクが増大。
  3. 労働環境の悪化: 社会保険や労災の未加入によるドライバー保護の欠如。
  4. 「劣貨が良貨を駆逐する」現象: 法令遵守する企業が損をする構造。

3. 荷主責任の明確化:委託側も処罰対象に

2026年4月以降、「知らなかった」は通用しません。

荷主は、委託先が適法な事業者であることを確認する義務を負います。確認を怠り、違法な白トラ事業者に委託した場合は、行政処分(業務改善命令等)、罰金、さらには違反事実の公表といったリスクに晒されます。社会的信用の失墜は、企業にとって致命的なダメージとなります。


4. 再委託回数の制限と多重下請構造の是正

運送業界の闇とも言える「多重下請構造」にメスが入ります。

再委託回数の制限(努力義務)

2026年4月以降、再委託の回数を「2回以内(実運送は3次請けまで)」とする努力義務が課されます。

適正な流れ: 荷主 → 1次事業者(元請) → 2次事業者 → 3次事業者(実運送)

これにより、実運送能力を持つ事業者への直接委託が増え、中間マージンのみを目的としたブローカー的な事業者は淘汰される方向へ進みます。


5. 運送事業者が直面する3つのリスク

  1. 再委託先が白トラだった場合の連帯責任: 協力会社が違法だった場合、元請けも荷主から損害賠償を請求されるリスクがあります。
  2. 再委託回数制限への対応遅れ: 将来的な義務化を見据えた事業モデルの再構築ができていない。
  3. 書面交付義務の不備: 口頭発注の継続による行政処分リスク。

6. 適法事業者にとっての5つのビジネスチャンス

法令を遵守している「緑ナンバー」事業者にとって、この法改正は追い風です。

チャンスの内容 期待できるメリット
不公正競争の是正 適正運賃での受注が可能になる
荷主からの信頼獲得 「安心・安全」が選定の決め手になる
価格交渉力の向上 安値競争からの脱却、コスト転嫁の円滑化
優秀な人材の確保 ホワイトな労働環境の構築による採用強化
事業拡大の機会 違法業者の退出によるシェアの獲得

7. 今すぐ始めるべき実務対応チェックリスト

施行まで残り時間は限られています。以下の項目を確認しましょう。

  • 自社の適法性: 許可証の有効期限、緑ナンバーの徹底、運行管理体制の再点検。
  • 再委託先の精査: 全協力会社の許可証写しを入手し、実態を確認。
  • 書面化の徹底: 契約書・発注書フォーマットの整備。
  • 荷主への説明: 法改正のリスクを伝え、自社の適法性をアピールする準備。

8. 荷主企業への効果的なアプローチ方法

「4月から法律が変わります」という情報提供は、荷主にとって非常に有益なアドバイスになります。自社を「法務リスクから守ってくれるパートナー」として位置づけましょう。

提示すべき資料: ・貨物自動車運送事業許可証の写し ・保険証券の写し ・運行管理・安全管理体制のレポート


9. よくある質問と弁護士からの回答

Q:再委託先が白トラかどうか、どう確認すればいい?
A: 許可証の写し、車検証(緑ナンバーか)、保険証券の3点は必須です。これらを「コンプライアンス管理台帳」として整備することをお勧めします。

Q:再委託回数の制限を無視したら?
A: 現時点では努力義務ですが、改善が見られない場合は行政指導の対象となり、荷主からの取引停止リスクも高まります。


10. まとめ:法改正を競争力強化のチャンスに変える

2026年4月のトラック新法は、真面目に運営している運送事業者にとって「報われる時代」の始まりです。この変化を単なる規制強化と捉えるか、飛躍のチャンスと捉えるかで、数年後の経営状況は大きく変わります。

まずは自社の体制を整え、胸を張って荷主企業へ「安全と信頼」を提案していきましょう。

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丸の内経営法律事務所

丸の内経営法律事務所は、企業法務を得意とする名古屋市の弁護士事務所です。これまでに関わった中小企業のトラブル解決数は 200件 以上となります。「関わった人全てを豊かにする」を企業理念に、名古屋市をはじめ東海エリアの中小企業を法務面・経営面から多角的にサポート。顧問弁護士として労働問題解消や契約書作成など、企業のトラブルを未然に防ぐリーガルリスクマネジメントにも尽力します。

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